BMW E92 320i

クーペの白ボディが美しいMスポーツパッケージ

サラっと乗るのにおしゃれですね。

このお車のオーナー様はまだお若い女性の方でした。

街乗り中心、たまに高速という乗り方らしいのですが、
以前はフェアレディ Z33に乗っておられて乗り換えられたとの事で

「ゼロ発進時から中速ぐらいまでのモサーっとした感じがストレス」
「何とかならんのか！」

と半ば怒り気味にリクエストをいただきました。

マフラー換えたら、変わる？ エアクリ換えたらどう？
と言っておられたのですが、上品なお車のイメージもありますし、
全開走行がメインでもないのでそれは違いますよーということで
ECU(DME)を施させていただきました。

そもそも、マフラー換えたら余計に回さないとダメですしね…

そもそもが
2.0リットル直列4気筒エンジン
最高出力は 156ps
最大トルクは 200Nm(20.4kgm)
それに対して車重は1,450kg

300ps近いZ33と比べるな！
とい話は置いといて、何とかして見せましょう。

早速、ノーマルデータを読み込みます。

以前にE92のM3を施工したときはデータが多すぎて読み込みに数時間かかりましたが、320iはデータも少なくて5分で終了。

でとりあえず2本のデータを作ってそれぞれインストールして乗り比べ。
上は良くなりましたが、下はまだまだモッサリしてますね。

じゃあ、ロガーをつけてデータ取りしてそこからさらに詰めてみましょう。

3本目と4本目のチューニングファイルを作って、ロガーをつけたまま走ってみました。

3本目の感想
「下のトルクが分厚い、上が気持ちよく回る。これぞ直四！ そんなに ｼﾗﾝｹﾄﾞ…」

4本目
乗った感じ、ん？ 気のせいか？？
戻ってログを見ますと、遅くなってるー

実は、この320i もちろんメーカー推奨はハイオクなんですが、
日本のガソリンは質も良いしレギュラーで良くない？
という事でレギュラーガソリンに対応させたデータで作ったのです。

4本目のデータはハイオクをいれたら速くなりますね…

でも、じゃあそれがどこまで体感できるのかっていうと微妙な所ですので3本目のデータに落ち着きました。
ガソリン代もお財布に優しくて非力/車重を感じさせない乗り味。
カッコよく言うとドライブフィーリング。
それが一番、大切と考えます。

オーナーさん、買い物行くのにストレス無くなった！と喜んでいただきました。

ちょっといたずら心が出まして、数日乗っていただいたあとにノーマルデータに戻して乗っていただきました。

20分後には戻って来られて「こんなん、乗れるか」と。

実は、パワーが上がったのは気づきにくいんです。身体もすぐに慣れますしね。
でも、下がった方ってすぐにわかるんです。

ちなみに、独り言。

パワーアップしますか？というご質問を良くいただきます。
– ええ、もちろんです。

何馬力上がりますか？
– もちろんピークパワーのことを言われているのだと思います。
その限界値で何秒走られるのですか？
最高速アタックされます？
それよりも、スロットルのツキとか中速域を分厚くした方が乗ってて楽しくないですか？

限界までやって下さい
– 喜んでさせていただきます。
でも、エンジンは壊しませんが、、、
ミッションとかクラッチとかに負担が思いっきりかかりますけど大丈夫ですか？

一般道で走るのか、サーキットでバシバシ走るのかでも、全然方向性が変わってきますよね。

あ、320iのお客様…
タイヤそろそろ変えないと…ですよ。